りすたと!

リスタートするための第一歩。

遺体画像を扱った小学校授業とメディアリテラシー

宮台真司教授が「荒川強啓デイキャッチ」(2015.02.06)で、小学校5年生の授業でISISによって殺害された遺体の画像が扱われたことについて語っていた。

経緯として、この授業は「情報リテラシー教育 情報を活かす私たち」の授業だということ。
この授業のテーマは、情報化が進むことによる利点と問題点。
マスコミが残虐映像をフィルタリングすることを是とするか否とするかで討論するというもの。
しかも、嫌な思いをする可能性のある画像だと事前に生徒たちに伝えた上で扱い、実際には35人中5人が下を向いて見なかったという。

この経緯を知っているかどうかで解釈がまったく変わってくる。

「メディアが自粛しているのになぜ学校で見せるのか?」という問いは、やはりおかしくて、
そもそもメディアが正しいかどうかを判断するというのがメディアリテラシー教育なのだから、宮台さんが断じる通り、「ありえません」。

古くは三島由紀夫の自殺画像が新聞に載り、東南アジアではグロい雑誌がコンビニで売られている。インターネットでは検索すればいくらでも見ることができてしまう。
性的なものについても同様。
日本の中だけで通じる情報・常識、異質なものを見た時に、それを異質だ、キタナイものだ、と拒絶してしまうのはグローバルな世の中で危険だ。

特に強調されていたのが、メディアリテラシーのポジティブ側面(とネガティブ側面)。

FOX TVが事前告知して映像を流したように、(ザッピングなどをしたことによっての)不意打ちは完全にはなくならない。確かにネガティブ側面。十分なフォローがあったほうがもちろん良い。

しかし、ポジティブ側面は絶大な効果が見込める。比較検証し、ネガティブ側面を極力少なくする努力をする、というだけ。

日本が世界の全てだと思い込む危険さ。
マスコミが流す情報が全てだと思い込む危険さ。

昔の自分は棚に上げて、あーだこーだ言う前に、影響を受ける受けたかどうかは子供たちに聞け。

私は個人的には、ある程度のトラウマを与えたほうが世界平和に近づくのではないかと考えています。
例えば、原爆の悲惨さを訴えるには、子供の時のほうがいい。
凄まじい現実を突きつける。
熱線でドロドロに溶けた皮膚。人間の形状をとどめていない遺体。
ひどい現実を受け止め、それを反発力とする。
もちろんフォローは必要だけど、それをせずして教育と言えるのか。
受験に受かるだけの教育から、そういうことを感じる心を育てることのほうがよっぽど良い社会・良い世界になると思っています。

TBS RADIO 954kHz | 荒川強啓 デイ・キャッチ!