りすたと!

リスタートするための第一歩。

「究極の水ビジネス」の真相 日本ポリグル会長の小田兼利さん

テレビ東京カンブリア宮殿」で、途上国に安全な水を売るビジネスをしている日本ポリグル会長の小田兼利さんが取り上げられていました。

www.tv-tokyo.co.jp

汚れた水が入ったビーカーに、会社で開発した白い粉(水質浄化剤)を入れてかき混ぜると、汚れが塊になって分離し、綺麗な水ができあがる。まさに魔法の粉。
成分は、納豆のネバネバ。ポリグルタミン酸。6年かけて開発した。

日本ポリグルは従業員30数名の中小企業。この会長さんは、阪神淡路大震災被災した際、給水車の水を待つ列で、近くの水辺で「この水が飲めたらな」と思い、水ビジネスの開発をした。

当初、金儲け一筋だったが、日本ではあまり日の目をみなかった。
ところが、スマトラ沖地震バングラデシュのサイクロンで被災した途上国で、この粉が大活躍した。

水を浄化する装置はあったが、使うには電気が要り、使い方も複雑で無用の長物と化していた現実。
一方、ポリグル粉は誰もが使いやすく分かりやすい。使い方を教えた途端、歓声があがる。

途上国の起業家は、小田さんにビジネスを持ちかける。「これは良いビジネスになる。あなたも儲けられる」と。
しかし、それを見ていた村長からは、「我々に手の届かない値段になってしまう。儲けは少なくなるかもしれないが、我々と直接ビジネスしてくれないか」と。
小田さんが選んだのは後者。
切なく懇願する村長の顔を見たら断れないと。
現地を訪れ、現場を見て生まれるビジネス。

途上国の人々から、タダで欲しいと言われるも、そこはダメだと言いきる。
では、いくらなら売ってくれるんだ?
そこから始まるビジネス。

現地の人々が買える値段にしないといけない。
現地の人々にお金を払って飲めるものだと認識してもらわないといけない。

ポリグルの粉を売って歩く現地の女性社員、ポリグルの水を売りに回る現地の男性社員。そこに雇用が生まれる。
自然と、浄水所(ポリグル粉と簡単な濾過器を通す装置)の付近には露店が並び、ちょっとした村ができる。ここでもビジネスが生まれる。
さらに、浄水所で水を入れたポリタンクを自転車に積み、遠くの村まで運んで売るビジネスをする人々が現れる。
まるでオアシスのように発展していく。

会長は、現地で雇った人々に、ポリグル粉をより多く売れば、君たちの収入も増えると説く。やる気を持たせる。

私に最も響いたのは、「ボランティアでは続かない」という言葉。
きれいごとではやっていけない。 ビジネスをやらなければいけない。
リスクを考え、儲けをあげなければならない。

手を差し伸べるだけではなく、寄り添う。
そして、儲けを上回る、利他の精神。
究極だなと思う。