りすたと!

リスタートするための第一歩。

原発は素人が作った 「原発」とググったら

原発」とググって、トップに表示される「原発がどんなものか知ってほしい(全)」というサイトを読んでみました。

原発がどんなものか知ってほしい(全)

著者は「私は原発反対運動家ではありません」と前置きし、20年ほど携わってきた原発を知る人のようです。
100回以上も内部被曝をして、がんになり、死を悟って内情を明るみに出しています。

この中で語られている要旨としては、以下のような感じです。

  • 設計は一流かもしれないが、建設が素人
    何が危険なのか分からない人たちが作っている。
  • 検査が素人。技量のない検査官・役人。
    完成品を見る検査。本来なら施工の過程を見るべき、誤りがあるなら正すべき。
    さらに、運転許可を出す人さえまったくの素人。
    天下りで場違いな検査官すらいる。メーカーも、その下の工事会社もほとんど素人。
  • 定期点検工事も素人。
    被曝しながら作業している。
    防護服は放射能を外に持ち出さないための単なる作業着。作業している人を放射能から守るものではない。
    そういう仕事をする作業員の95%以上がまるっきりの素人(いわゆる出稼ぎの人)。
    設定されたアラームを身につけて作業する。時間との戦い。恐怖感をもって作業する。どうしてもいい加減な作業になってしまう。
  • 放射能を含んだ水を海に垂れ流している。
    原発の熱を冷やした海水を、海に捨てている(放射能を含んだ温排水)。
    放射性物質がいっぱいついた防護服を洗った水を、全部海に流している。
  • 内部被曝
    放射能を含んだホコリやチリを吸い込むと内部被曝する。
    キレイではない場所にはホコリやチリが多い。つまり、作業環境としては劣悪。
  • 閉鎖しても、維持費はかかる。
    発電を止めて、核燃料を取り出しておいても、放射能まみれの原発は、発電時と同じように、水を入れて動かし続けなければならない。定期点検も必要。
    日本の電力会社が、電気を作らない、金儲けにならない閉鎖した原発を本気で監視し続けるか疑問。

そりゃそうだよな、の切羽詰まったエピソード

 稼動中の原発で、機械に付いている大きなネジが一本緩んだことがありました。動いている原発放射能の量が物凄いですから、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しました。一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネジまで走って行きます。行って、一、二、三と数えるくらいで、もうアラームメーターがビーッと鳴る。中には走って行って、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう終わりの人もいる。ネジをたった一山、二山、三山締めるだけで百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました。

 なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもしれませんが、原発を一日止めると、何億円もの損になりますから、電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお金なのです。

危うく大惨事! 美浜原発細管破断事故

一九九一年二月に、関西電力美浜原発で細管が破断した事故は、放射能を直接に大気中や海へ大量に放出した大事故

 この事故はECCS(緊急炉心冷却装置)を手動で動かして原発を止めたという意味で、重大な事故だったんです。ECCSというのは、原発の安全を守るための最後の砦に当たります。これが効かなかったらお終りです。だから、ECCSを動かした美浜の事故というのは、一億数千万人の人を乗せたバスが高速道路を一〇〇キロのスピードで走っているのに、ブレーキもきかない、サイドブレーキもきかない、崖にぶつけてやっと止めたというような大事故だったんです。

 原子炉の中の放射能を含んだ水が海へ流れ出て、炉が空焚きになる寸前だったのです。日本が誇る多重防護の安全弁が次々と効かなくて、あと〇・七秒でチェルノブイリになるところだった。それも、土曜日だったのですが、たまたまベテランの職員が来ていて、自動停止するはずが停止しなくて、その人がとっさの判断で手動で止めて、世界を巻き込むような大事故に至らなかったのです。日本中の人が、いや世界中の人が本当に運がよかったのですよ。

 この事故は、二ミリくらいの細い配管についている触れ止め金具、何千本もある細管が振動で触れ合わないようにしてある金具が設計通りに入っていなかったのが原因でした。施工ミスです。そのことが二十年近い何回もの定検でも見つからなかったんですから、定検のいい加減さがばれた事故でもあった。入らなければ切って捨てる、合わなければ引っ張るという、設計者がまさかと思うようなことが、現場では当たり前に行われているということが分かった事故でもあったんです。

もんじゅ事故 配管ズレの原因は各メーカー基準のズレ

もんじゅは、日立、東芝、三菱、富士電機などの寄せ集めのメーカーで造ったもので、それぞれの会社の設計基準が違っていたのです。

 図面を引くときに、私が居た日立は〇・五mm切り捨て、東芝と三菱は〇・五mm切上げ、日本原研は〇・五mm切下げなんです。たった〇・五mmですが、百カ所も集まると大変な違いになるのです。だから、数字も線も合っているのに合わなかったのですね。
(中略)
 動燃自体が電力会社からの出向で出来た寄せ集めですが、メーカーも寄せ集めなんです。これでは事故は起こるべくして起こる、事故が起きないほうが不思議なんで、起こって当たり前なんです。

※ちなみに、もんじゅにはプルトニウムが約1.4トンも使われている。長崎の原爆は約8キロ。

原発のコスト

今は電気を作っているように見えても、何万年も管理しなければならない核のゴミに、膨大な電気や石油がいるのです。それは、今作っている以上のエネルギーになることは間違いないんですよ。それに、その核のゴミや閉鎖した原発を管理するのは、私たちの子孫なのです。

 そんな原発が、どうして平和利用だなんて言えますか。だから、私は何度も言いますが、原発は絶対に核の平和利用ではありません。


この筆者さんは、文の最後に次の言葉を残されています。

優しい地球 残そう子どもたちに

原発がどんなものか知ってほしい(全)

我々がすべきこと

世論としては脱原発原発再稼働はダメゼッタイ、な感じでしょうが、
このページを読むとリアルに迫ってきます。
書いてあることはこれまでの不安感を裏打ちするものでした。

この文章のどこまでが正しくて、どこまでが信用できることなのかはよく分かりません。
しかし、それなりの内情をふまえたうえでの提言のように捉えられるかなぁと思いました。

これから必要なのは、しっかり知ること、開示すること。
被爆国として、核の利用推進はありえないですよね。