りすたと!

リスタートするための第一歩。

アフリカの痛み 日本以外のどこかを感じるには

アフリカなどの紛争地の声は、誰かが取材し伝えないと全く届かない。
ジャーナリストの池上彰さん曰く、情報社会の現代において、報道されないことは存在しないことと同じ。報道することで、存在が世に知られ、救援や対策などが講じられる。悲劇をなくすための第一歩だと。

朝日新聞(2015.02.21)に、国際報道で優れた成果をあげた記者に贈られるボーン・上田記念国際記者賞を受賞した同社の杉山正記者の取材について載っていた。

アフリカ紛争の最前線に肉薄 ボーン上田賞の杉山記者:朝日新聞デジタル

スーダン

  • 「家族を守るために銃を持っている。(敵対民族は)絶対に許さない」
  • 市場は破壊され、略奪されていた。叔父を殺された人は「ここまでやられて民族の和解などできるものか」
  • 人道支援が全く届いていない」

ルワンダ、大虐殺~その後

1994年に起こったジェノサイド。約50万人~100万人(ルワンダ全国民の10%~20%)もの人々が約100日間で犠牲になった。
- 民兵から次々と性暴力を受け妊娠、出産。夫は「どういうことがあっても自分の子だ」と言い、その女性は「何度も死のうと思った。しかし、両親の愛情を考えると前に進もうと考えた」

ナイジェリア

ボコ・ハラムによる女子生徒らの誘拐やテロが多発している。
- 12歳と8歳の娘をテロで失った人は「娘たちは勉強が大好きだった。テロが娘たちの、私の未来を奪った」
- 15歳の女子生徒は「襲撃は怖いが、勉強を続けて家族や社会の役に立ちたい」
- イスラム宗教学者は「人々に『ボコ・ハラム』と言うだけで、狙われて殺されるという意識が強い。口に出すだけでも恐怖を覚える」

中央アフリカ

内戦中。
- 8歳の少女がレイプされた。少女は「叫んだけど誰も来なかった」と言った。

アフリカの現状

地下資源が豊富で経済成長を続けている。しかし、多くが腐敗した政治であるため、再分配が進んでいない。
貧弱なインフラ、食料不足、貧困。資源をめぐる戦い。不平等。宗教対立。


理不尽に命を奪われた人たちの無念や家族の悲しみは、遠いアフリカで公表された死者の推計数字では伝えられない。
日本以外のどこか。どこまで考えられるだろう。