りすたと!

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イスラム、アラブ人が求めているものとは? 「西部邁ゼミナール」

東京MX「西部邁ゼミナール」(2015.02.15)でアメリカ在住の評論家の伊藤貫さんが、先のISIS日本人人質事件を含めた中東問題について語っていました。


文明の衝突と不介入主義外交西部邁ゼミナール 2015年2月15日放送 - YouTube

そもそも、伊藤さんは、中東問題は日本人の手に負える問題ではないから手を出すなという見解。

これまでの中東の歴史、過去400年を見ると、英仏米イスラエルの国々がひどい目にあわせて、アラブ人は虐げられてきた。

かつて強大な威勢を誇ったオスマントルコ帝国。
しかし、ヨーロッパはルネサンスプロテスタントリフォーメーション(ラディカルリフォーメーション、宗教改革)、ウェストファリア体制(三十年戦争講和条約。これによりもたらされたヨーロッパの勢力均衡、バランス・オブ・パワー体制)、近代化、西欧文化啓蒙、産業革命、自然科学の発達を経て、力を付けた。

一方、イスラム教国は、これらの流れから取り残された。
この300年間分を、西欧から時代遅れと決めつけられ侮辱され、西欧を真似ろと言われる。
すぐに変わるのは無理だし、西欧の横暴。被害妄想が拡大していく。

1919年にオスマントルコ帝国が潰れた際に、英仏が勝手に国境線を引く。
その領域内には対立する部族を意図的に入れ、衝突させ、自分たち(英仏)が間に入ってディバイド・アンド・コントロールする。

当事者たちにすれば、これまた現在までの100年の屈辱であり、さらに被害妄想が拡大していく。

IS Isramic StateのSTATEは「状態」、つまり、もともとあった状態を取り戻すことを指していると思われる。
そういう意味で、イスラムとしての言い分は分からないではない。

(父ブッシュ政権時の国家安全保障担当大統領補佐官ブレント・スコウクロフトの言葉を引いて)
それゆえ、アラブ人が求めているものは、自由でもなく、民主主義でもなく、「dignity(自尊心)」だとした。
自尊心を回復したいという思いがある。
だから、我々は手を出すなと。

ああ、その通りだなと。
でもその一方で、我々にできることはないのか?という気持ちにもなる。 400年の壁を越えるには、相互に歩み寄りが必要な気もするけれど、今を理解し未来につなげるためには、やはり教育次第なのかなーと思いました。
そのための環境作りは不可欠ですね。