“自分と同年代の父親”の気持ちとは?『流星ワゴン』
WOWOW×TBS製作のドラマ『MOZU』で共演していた西島秀俊と香川照之が、続けて共演しているということで話題の『流星ワゴン』第1話、第2話を観ました。
原作は重松清の小説。読んでません。
ストーリーはタイムスリップな親子愛ものでしょうか。
主人公(西島)は、反りの合わない父親(香川)が死の床にいるのを横目に、自身の危機的な状況に苦悶している。
リストラされ、妻には逃げられ、離婚届が残され、息子は中学受験に失敗し引きこもり。
どうしてこうなったのか。
自分の家族が離れていくという誰もが起こりえる状況。
こんな状況に対してヤケ酒し、自暴自棄になった主人公の前に、1台のワゴンが現れる。
その不思議なワゴンに乗り込むと、時間が逆行し、主人公の大切な転換点となる時間に戻される。
するとそこには、40代の主人公と、同じく40代の父親が共存するという奇妙なパラレルワールドが展開する。
ワゴンの存在は謎に包まれているけれど、『Back To The Future』の設定を借用しつつ、「現在の自分(主人公・息子)」と「過去の父親(自分と同年代の父親)」を同時に見せるトリッキーな猫写はとても面白い。
強烈なのは、香川照之の父親キャラ。
1代で会社を築いた熱血漢、猪突猛進、ヤクザまがいの振る舞いは破天荒そのもの。
今さら彼の演技力を褒める必要はないと思いますが、やっぱり凄いです。
そんな父親に主人公は反発。いじめられる少年期を過ごし、その矛先は父親に向けられる。
しかし、ワゴンに乗って時間の旅をし、別の視点から物事を見ていくと、実は父親は陰ながら苦労していたことが分かってくる。
家族のために必死に働く、どんなことをしても守ろうとする父親。
不器用で、息子にどのように声をかけたら良いか分からない父親。
家計が苦しいなか頭を下げている父親。
息子の前ではカッコ悪いところは見せられない父親。
父親には父親の考えがある。
ある意味、古い父親像のド真ん中。でもどこか懐かしい感じ。
最近始まったアニメ『暗殺教室』と通じる、「人を思いやる深い気持ち」が見え隠れします。
『暗殺教室』は究極の『金八先生』か - りすたと!
息子は息子の目でしか父親を見ることができない。
少年期の主人公が見た父親が何を考えていたなんて知る由もない。
しかし、このワゴンで旅をし、自分と同じ40代の父親と話を交わしていくと、今まで知らなかった父親の側面が立ち上がってくる。
「あの時、こんなことが起こっていたんだ」と知ると、父親の息子に対する想いが伝わってくる。
現時点で様々なフラグが立っていますが、回を重ねるごとに父親との間のわだかまりが解け、明るい未来に変わっていくのだと思われます。
どうしてこうなったのか。
自分の人生のターニングポイントを巡る旅。
今の自分にはとても考えさせられるドラマです。
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