りすたと!

リスタートするための第一歩。

『「いき」の構造』と『茶の本』の「すき」

NHK教育「100分de日本人論」で、松岡正剛さんが紹介していた日本人論の名著『「いき」の構造』。
九鬼周造という哲学者による1930年の書籍で、ググってみたら青空文庫にもなっていました。

九鬼周造 「いき」の構造

少し前にスマホで取ったメモなどを以下に。

「いき」とは

失ってはじめてわかる本質。
色気を持ちつつも、気高く、さっぱりとした心持ちでいること。

芸者や遊女の世界。精神性。
かっこよさ。かっこよすぎてもダメ。絶妙なバランス。曖昧で暗示的。

たくさんのものをすいていって、“ここで丁度良い”と止めるところ。

うん、分かる分かる。

いきの3要素

  • 媚態
    男女が相手を引きつけようとする態度。
    いきごと、色ごと。緊張感。
     
    深い中になってしまうと、いきではなくなってしまう。
    近づきたいから生まれる。近づきすぎてはダメ。
    異性に対して一部の反抗を示す強みをもった意識。
     
    ※「セクシーさ」とはちょっと違う
    暗示性。覆いの美学。間接性。露骨ではないもの。

  • 意気地(いきじ)
    武士は食わねど高楊枝、宵越しの金は持たない、江戸っ子かたぎ。

  • 諦め
    運命を受け入れる諦め。
    追い求められない(恋とか)。未練を断つ。

数寄

髪を梳く、紙を漉く、土を鋤く、風がすく、透き通る、好む
いき、侘び、寂び≒数寄

「これからは、クール、日本人のみに留まらないクール、海外も含めた数寄にしていった方が良いのではないか」という松岡正剛さんの考えでした。

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)



そして、同時に見ていたNHK教育「100分de名著」の『茶の本』の回。
岡倉天心の著ですが、「数寄」と通じたものを感じたのでこちらもカキカキ。
_〆(・ω・` )

空き家(すきや)

虚=空っぽ。
老荘思想
空っぽであること。一期一会。

茶人の好みに合わせて作る室内。
仮初めのもの。変化を楽しむ。空っぽが必要。

  • 欧米の室内は家具調度品で飾り立てる。
  • 日本の室内茶室は空っぽ。相手に応じて変化する。

不完全なものの美。未完の美。
非対称の美しさ。補って完成させる。

茶室にはシンメトリーがない。
なぜ違い棚は違うのか?と動いている。心動かされる。

無心になる、空っぽの境地。

芸術の鑑賞にも通じる。
余白の美。鑑賞者との共同作業。一方通行ではないもの。

お客が茶を飲んではじめて完成する。



映画も芸術も、「いき」な表現がイイ。
寸止め感。
全部出さない感。
感じさせる余韻。

なるほどね。